#20170201

「あ、どうも。」

ドアを抑えて待っていた僕に彼女はそう言った。

まだ寒さはそこら中にいたけど、2月になって陽射しが春らしくなってきて、今みたいな昼下がりならアイスラテを頼んでしまうような、寒さの中に暖かさが混じる、そんな日だった。最近引っ越してきた街を散策してた最中に良さげなカフェを見つけて、オーダーを済ませたのでテラスに向かう最中だった。サラッとした挨拶はいいもんだななんて思いつつ、テラスにいると、店内が満席だったのか先ほどの彼女が僕の隣に座った。

彼女は大きな家具屋の荷物を持っていて、僕も引越しの最中だったので思わず、

「引っ越しですか?」

と問いかけた。すると彼女は

「最近この近くに引っ越したんです」

と言われ、

「へー僕も最近引っ越してきて!ここ、いいですよね」

最近同じ街に引っ越してきたもの同士、意外にも話が盛り上がった。

近くのコンビニがローソンでスイーツが美味しくないことや、日当たりが良すぎて昼過ぎはもう窓を開けていること。

よくよく見れば、その彼女は綺麗なフラットシューズを履いて、切りたてであろう髪を無造作にセットしていて、その姿は新生活が始まっていることを表していた。

話が一息ついて、僕のラテが冷め始めたそんな時だった。

「じゃあ私、家に帰って夜ご飯作らないといけないんで、また」

そう言って彼女はテイクアウトカップに入った氷の方が多くなってしまったアイスラテを持って立ち上がった。

「また」

僕は特に気の利いた言葉を掛けられずに、彼女の後ろ姿をただぼーっと見つめていた。

この街に住むことに不安を持っていた僕は新生活を生き抜く戦友が出来たような気持ちになっていた。またどこかで会えたらいいな。

 

そんな21日。

いいコーヒー屋にはいいストーリーがある。

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